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大阪とその周辺・中国地方の小旅行の記録です。
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突出している、児島半島の南端にくらいする鷲羽山の突端である。全山崩壊した花崗岩からなるこの山は、累々層々と積み重なった奇岩巨岩のあいだをぬうて、ひねくれた矮性の這い松の群落が点綴している。
それ自体がたしかにいっぷう変わった奇勝にはちがいないが、わずか133メートルのこの山がひろく天下に知られているのは、そこに立つと国立応援瀬戸内海の景観が、一望のもとに見晴らせるからである。
(横溝正史「悪霊島」より引用)

横溝正史の悪霊島は私の大好きな本のひとつですが、冒頭部分「あいつは腰のところで骨と骨とが云々」から、耕助が島に渡るまでの磯川警部との会話の場面、そこにちりばめられた鷲羽山や瀬戸内海の多島美、下津井の描写は、読むだけでわくわくするものがあります。


鷲羽山

金田一耕助と磯川警部は冒頭、鷲羽山から瀬戸内海を見下ろしています。水島灘のまっただなかにうかぶ児島が刑部島であるとされていますが、もちろん実在するものではなく、鷲羽山突端の西南に位置し、瀬戸大橋が通る櫃石島(ひついしじま)近くに位置するとされているようです。、磯川警部のセリフには「むこうに煙がいっぱい立っているのが水島コンビナートじゃが、その沖合に浮かんでいるのが、刑部島じゃな」とありますが、実際それに似たような島は見当たらないので、完全に架空なのかもしれません。あれば行ってみたいものですが・・・。まあ実在をモデルにしようにも、悪霊のとりついた島だのと言われたくないですわなあ。
ちなみにそれらの島々の中には、金田一耕助が戦後第一に手がけた事件の舞台となった「獄門島」もあるようです。早苗さんは元気かしらん??

さて、耕助と磯川警部は坂出と下津井を結ぶ連絡船の中で死んだ男の最期の言葉を追って、刑部島に渡り、世にも奇妙で恐ろしい事件に遭遇するわけです。そして数奇な運命のいたずらか、磯川警部の過去まで明らかになってしまいます。


下津井

狭い道がくねくね湾曲しながらどこまでも続いている。道路は舗装してあるが両側に立ち並ぶ家並みはうらぶれて見える。昔はさぞや立派だったろうと思われる海鼠壁の土蔵、昔は青楼(女郎屋)だったららしいという三階建の建物は白壁が剥げ、しっくいが落ち、かつての繁栄が目覚ましかっただけに現在の老残のすがたが痛ましい。綿、藍、タバコの栽培が奨励され、その肥料のために北前船が出入するようになり、日本海の荒波をこえて関門海峡から下津井の港に入ってくる船で下津井は賑わい、陸に上がった男は青楼で命の洗濯というわけだったようですが、鉄道やらの発達により流通の繁栄に遅れた下津井は取り残され、下津井の綿や藍は輸入ものにとって代わられ、衰退していった。さらに水島コンビナートにより海が汚れ、漁もできなくなったので、男は水島へ、女は児島の縫製工場へ・・・というのが下津井の歴史らしい。
現在児島はジーンズが名産になってますね。オーダーメイドとかもできるみたい。



♪下津井港はよ~ はいりよて出よてよ~ まともまきよて まぎりよてよ~

下津井節はわりと民謡のなかでは知れているようです。
その下津井は大きい町では無いのでしょうが、複数の岬があり、入江が港になっていて、漁船やら四国との連絡船が出入りしている港町です。
上の下津井節の歌詞では、かつて北前船の出入りで勢いのあった頃の下津井港のにぎわいをうたっており、船が港に着くと行燈に火が入り船乗り達を招きよせる、といった歌詞もありますし、下津井は良いとこ、春は鯛網、名物はメバルに蛸、祇園祭に喧嘩神輿・・・などなど。観光案内より小唄をひとつ聞くほうがよっぽど風土を知るには役に立つというものです。

なぜ突然下津井や鷲羽山の話をし始めたのかというと、来週下津井に行く事にしました。という事が言いたかったわけです。来週の土曜日、早朝の高速バスで岡山に行き、そこから電車で児島に向かう予定。児島から下津井に行くバスはかなり本数が少ないので、あまり時間が無さそうなんですが、時間が無かったとしても、今度は泊りで来たいと思ってるのでキニシナイ。

磯川警部のセリフには「櫃石島からこの山(鷲羽山)を見ると、ちょうど鷲が羽をひろげて今にも翔び立ちそうに見えるところから、鷲羽山と名付けられたんじゃそうな」ともあります。その光景、ぜひとも見てみたいものよ。でも櫃石島に渡ってたらとても時間が無いし・・・。

I will see everything onceの精神で行ってきたいと思います。

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